前回の記事はこちら
今回お伺いしたのは3月。養蚕の時期ははずれていますが、今回はアシザワ養蚕ツアーもしていただき実際の養蚕施設もいろいろと見せていただく事ができました。
こちら、掃き立て後(卵から孵ったばかりのカイコさん)のまだまだ小さいカイコさんたちのお部屋です。カイコさんのお世話では湿度管理がポイントで、小さいカイコさんは高湿度、大きくなられたら湿度は下げて風通しを良くと言われています。家庭でお世話させていただく場合も厳密ではなくともある程度は湿度を意識していないとカイコさんが亡くなってしまう原因になりやすいのですが、こちらのお部屋は温度だけでなく湿度も調整できるのだそう。
養蚕農家さんではお世話するカイコさんの人数が多いので、小さいカイコさんたちのお部屋とは言いつつもそれなりに大きなお部屋です。部屋の中に棚が見えていますが、この棚一枚一枚は大人の背丈よりも大きいくらいです。(※恐らく前回の記事でケータリングスペースになっていた蔟の上のテーブル台的なものがこの棚板)
ここから大きくなられるごとにどんどん大きなお部屋に移動していきます。
こちらは3齢くらいからだったかと思います。先ほどのお部屋より大きくなりました。写っているのは今回親子で参加されていた小さいお方と芦澤さん宅のねこのひと。
今回はご家族や親子でいらしていた方もいて、お餅つきにふさわしい賑やかさでした。
幼虫最後のお部屋はこちら。カイコさんを好きな方にはおなじみかと思われる「ボンビックス」!※おそらくカイコさんの学名「ボンビックス・モリ」に由来するネーミング
ぷりぷりになられたカイコさんたちを効率的に収容させていただくための機会ですね。養蚕の際にはこの籠一つ一つがカイコさんでいっぱいになるのです。これを動かすと回転し次の籠が手前に来るので、食べ終わった枝をとったり新しい桑をお出ししたりしてまた回転させ…とお世話されるそうです。
入口だけでもかなりの大きさですが、実はこの部屋もかなりの奥行きがあります。陰影がとてもカッコいいお部屋。この籠すべてがカイコさんで満ちると思うとくらくらしますね(実際のお世話を考えるといろんな思いが去来する…)。
近くで見ると結構糸もついています。これは早くに上蔟された方がいらしたのかな?ちなみにカイコさんは繭に入る時しか糸を出さないように思われがちですが、小さいころから少しずつ糸を出して生活していらっしゃいます。あれは足場用にわざと吐いていらっしゃるのかな?特に小さいころに顕著で、人工飼料だと飼料が糸まみれになったりもします。
アシザワ養蚕は小高い傾斜地にあるため、カイコさんの部屋移動用にこんなリフトもありました。
場所が戻りまして、カイコさんたちの最後のお部屋は今回のお餅つき会場でもあるこちらの大きなお部屋です。この写真に写っているのは部屋の一部のみ。まだまだ広いお部屋です。この広い部屋が蔟とカイコさんで一杯になるなんて…!
最後の蚕室の片隅に、我々にはおなじみのあの機械が!こちらはご存じ「マユクリン」!蔟から繭を取り外すための機械です。
YouTubeにマユクリンがわかりやすい動画がありました。
小気味よい音で楽しそう…と思うものの、蚕室に無造作に置かれた蔟の数を見ると「これを全部手作業でこの機械に???」とたじろぎますね。養蚕農家さんは本当にすごい。
こちらは「まゆエース」と命名されていました。全自動毛羽取機ということなので、おそらくマユクリンと同じような機械と思われます。それにしても「全自動」とは…。
次回、お仕事編に続きます!
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【おしらせ】
今年は「博物ふぇすてぃばる!(東京:7月)」&「いきもにあ(京都:10月)」に出展予定です。また会場でお会いしましょう!