カイコホリック

蚕の皆様との愛の日々

豊島八百万ラボに行ってきました。

以前にこちらの記事でご紹介していた、瀬戸内国際芸術祭のカイコさん関連アート作品をやっと見に行くことができました!

kaikoholic.hateblo.jp

 

カイコさん関連作品は豊島という島にある「豊島八百万ラボ」。現代芸術家スプツニ子!さんの映像作品+建設物という構成で、映像作品自体はスプツニ子!さんのサイトからも見ることができます(上記記事にリンクあり)。作品にちなんで神社のような建物を作って上映している…というような情報のみで、よくわからないまま行ってきました!。長いですが、今日の記事はラボも含めた豊島旅行記です。

 

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私は岡山に住んでいるので、岡山駅から電車で1時間ほどの宇野港から島に向かいました。豊島には香川県高松駅近くの高松港からも船が出ています。豊島には家浦、唐櫃の2つの港があり、今回は唐櫃からスタートしました。

この日、気温は比較的高めで曇りという歩きやすい天候でした。本州でもそうですが、セイタカアワダチソウコスモスなどが各所で咲き誇っていてとてもきれい。この写真は豊島美術館から近くの棚田方向を撮影した物です。

 

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こちらが豊島美術館です。

左がカフェとミュージアムショップ、右が美術館。左とか右ってどれ?という感じですが(笑)、白い楕円形のものがそうです。美術館は内藤礼さんという作家さんの作品で、この建設物まるごとが作品という一風変わった美術館です。

中は真っ白なホールになっており、少し傾斜のついているらしい床のあちこちから少しずつ水が湧き出しては流れ、集まり、泉のように広がっていく様子を間近で眺めることができます。私が行った時は50人以上の人が入っていましたがそれでもまだゆったりと広く、各々寝転がって水を眺めたり、天井の穴から空を眺めたり、本を読んだり、瞑想したりして過ごしていました。写真でも天井に穴があるのがわかると思いますがここは本当に屋根も無く、雨の日にはそのまま雨が入ってくるんだとか。靴を脱いで入るので、この時期でもコンクリートの床は少し冷たかったです。

この近くにも様々な作品や施設があります。今は芸術祭で込み合っていて美術館の入館にも整理券がでていたので、少し先の時間の整理券を貰って、入館前に近くの作品を一通り見ることができました。

 

ここからカイコさん作品を見るべく移動になります。徒歩では1時間半の距離、という事で今回はバスを使用。美術館から約15分、甲生集会場というバス停から徒歩数分の所に八百万ラボはあります。

 

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サイトなどで写真を見ると凄く目立ちそうな建物だったのですが、実際には住宅地にあるお家のひとつ、という感じで看板がなければうっかり見逃してしまいそうなたたずまい。敷地内では写真撮影もできますが、屋内は撮影禁止です。

 

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鳥居をくぐった先の看板。電飾っぽいけど、夜間はつけてるのかな。16:30には閉館なのであんまり用がなさそうだけど(笑)。

 

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ここでは民家を改装した「八百万ラボ」という施設が公開されていて、カイコさんも登場する映像作品の上映と、作品の主人公「玉姫(たまき)」のラボと自室をイメージしたと思われるセットが公開されていました。

製作者スプツニ子!さんは現代美術家のほかにMITメディアラボの助教授もされている方で、現在NHKで放送しているTEDの番組でも司会として出演されている方です。そして、スプツニ子!さんの映像作品でも毎回出演されています(笑・今回は主人公たまきの思い人、ジョン幸彦役です)。

という事で、ラボではスプツニ子!さんやNHKで共演されているメディアラボ所長・伊藤譲一さんなどMITメディアラボ関係者の著書や、蚕や遺伝、養蚕などの関連書籍が沢山展示されています。必要な場合はスタッフの方に言えば展示著書の一覧もいただけるそうで、帰ってきてから「貰っておけば良かった…」と思いました。

そして同じテーブルの中央にはカイコさんの模型…と思いきや!まさかのカイコさん生体展示!!カイコさんがいらっしゃると思わなかったので、これだけでも来た甲斐があった…うちにもいらっしゃるけど!そろそろ寒くなるので、今いる皆さんで生体展示は終了になるのではないかとの事でした。私が行ったのは1週間前の21日(金)で、その時点では4齢終盤だったので、そろそろ幼虫期は終わりかと思われます。

上の写真はラボの庭に植えられた桑です。展示されたカイコさん達はこの桑を召し上がっていらっしゃるようです。

21日といえば鳥取震源とした地震があった日で、私は丁度このラボにいたときに地震に遭遇しました。芸術祭のスタッフの方はボランティアの方がメインだと思うのですが、すぐに「屋外に出るように」といった指示を出されていて感心したりしました。別段被害も無かったので、本震のあとはすぐに再開されました。展示室内は映像作品のポップな電子音が鳴り響いているので、建物の雰囲気やら音楽やら状況やらで本当に「なんだこれは…」といった日でした。

 

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映像作品内で神社が登場することもあり、神社を模した施設…という事でお守りや絵馬も売られています。絵馬は記念に持ち帰ることもできるのですが、願い事を書いてこのまま奉納することもできます。私の絵馬もありますよ~。

 

絵馬に描かれた赤い糸は映像作品にちなんだ物です。映像作品のタイトルは「運命の赤い糸をつむぐ蚕」。「科学による新しい神話の創生」といったことがテーマになっており、この赤い糸は主人公たまきが遺伝子組み換えにより創り出した蚕の糸で、施設内にもいくつかひっそりと展示されています。展示室を良く見ると映像作品で使われた小物がちりばめられていたので、映像と見比べながら探してみるのも楽しいと思います。

 

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この日は丁度島のお祭りだったようで、港の方からずっと威勢のいい声や太鼓の音などが島に響いていて、とても良い雰囲気の中で散策できました。のんびり見たい作品も多いし1日で全てを見るのは難しいと思いますが、見たい作品数にあわせて徒歩で散策にしたりバスやレンタサイクルを使って移動したり、計画を立てるのもなかなか楽しいです。

芸術祭は11/6で終了しますがほとんどの施設は会期後も公開されますので、芸術祭のサイトで公開日を確認して、是非行ってみてくださいね。

 

setouchi-artfest.jp

 

 

 

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