前回からかなり時間があいてしまいましたが、予告しておりましたとおり「高原社『カイコ飼う』にて購入した3齢飼育セット(夏の特別価格☆)での飼育記録」をお送りいたします。わたくしカイコホリックとしても、大人になってからはじめてのカイコさんのお世話です。幼少期に桑付き飼育セット(主目的はうちわの作成でしたが)でお世話をしたはずなのですが、あまり記憶にありません。成虫になったカイコさんもいたと思うんだけど、あのカイコさんはどうしたんだろう。やっぱり庭に放しちゃったのかなあ。
私が飼育セットを購入したのは2013年の夏です。8月2日到着分(たしかこの年の夏のセットとしては最後の週でした)だったので、受け取りも8月2日です。
☆8月2日
前回も掲載した写真ですが、こんなセットが届きます。飼育箱には発送されてきたダンボールをそのまま使用。以降、我が家では「カイコさんのお住まい=ダンボール」の図式が根付きます(笑)。写真左の窓の開いた紙は蔟。蛇腹状に折りたたまれています。穴があるのは恐らく風通しをよくして湿度がこもり過ぎないようにするためだと思われます。
飼育セットは20頭セットですが、23頭が入っていました。恐らく死着に備えての補欠要員…
当日のカイコさん。決められたサイズに人口飼料をカットして初めてのお給仕。
のちのちのお世話では「乾燥してきたら新しいご飯に換える」方式に変わるのですが、当時は初めてのお世話でほぼ知識がなかったので、何もかもが手引きどおりです。
度々書いていますが、人口飼料はかなり臭いがきついです。慣れると平気なのですが、最初にカットした時に「あ、これもうダメかも…」と早速心が折れていました(笑)。
☆8月4日
まだ到着から3日目ですが、早々に脱皮されたカイコさんが!頭の大きさが全然違うので、写真だけでもわかりますね。
そして写真から察するに、恐らく掃除方法がわからず飼育ケースのお掃除をまったくしていません。
☆8月6日
この日のうちにすべてのカイコさんが4齢になりました。
恐らく成長速度の違いを記録したかったのではないかと思われる写真。当時はひたすら可愛くて手に乗せて遊ぶことも多かったのですが、触ったり手に乗せたりするのはカイコさんの負担になりますのでなるべく控えましょう。飼育後半で私ももう反省しました。
☆8月7日
手引きに従いまして、カイコさんたちはダンボールにお引越し。新聞紙を敷いていましたが、のちのちのお世話ではこれも変更。ご飯が少なくなってくると敷紙ごとかじってしまわれるため、インクや紙の漂白剤がお体に悪いのでは…と心配になったためです。
☆8月9日
ブログのアイコンなどに使用しているお写真も実は初回のお世話のカイコさんでした。到着1週間で既にこの大きさ。今改めて写真を見ると、恐らく眠に入ろうとされているタイミングのカイコさんではないかと思われます。
すっかり大きくなられました。どうもこの日にはもう脱皮が終わり5齢になるカイコさんも出てきていたようです。
☆8月10日
我が家にいらした3齢の頃にはほぼ同じ大きさだったカイコさんですが、この頃にはこんなに個体差がでています。
☆8月12日
到着から10日目のカイコさん。随分大きくなられて…
☆8月14日
もうみっちり。みっちりです。
☆8月15日
到着13日目、上蔟第1号のカイコさんが登場!
その他のかいこさんもぎゅうぎゅう。お掃除してもしてもこんな様子。
お気づきかと思われますが、この時点で蔟を入れる箱と幼虫の皆さんのお住まいの箱と2つの箱が必要になっています。
すっかり大きくなって…。
☆8月16日
昨日上蔟となったカイコさんの繭。
すっかり完成…に見えますが、繭のなかではまだカイコさんが頑張っていらっしゃるはずです。
☆8月17日
ここで人口飼料が付き、桑飼育となりました。途中から飼育書どおりの分量では丸1日カイコさんが断食になってしまう日が発生するような事態となり、ネットでは「カイコは餌切れに弱く、ご飯がなくなるとすぐ死ぬ」といった情報もあったので断食させてよいものかもわからず追加のお食事を出し…としていたところ、ついにご飯切れ。気づいた頃にはお盆にかかっており追加注文しても間に合わない!
近くに桑がないので山の中を歩き回り、ようやく見つけた桑です。これは一般的な桑(山桑?)ではなくケグワという種類の桑のようです。葉っぱも厚みがあり大きく、裏側にはうっすら毛が生えています。よろこんで食べて下さってよかった。桑以外は召し上がらないカイコさんですが、逆にいうと桑でさえあればなんでも良いのかもしれません。
☆8月18日
それぞれ好きなところで繭を作ってしまわれるので付属の蔟では足りなくなり、ついに自作の区画蔟が登場しました。
☆8月21日
熟蚕となるも、糸が吐けないカイコさんたち。
23頭中6頭、実に3割近いカイコさんがここでお亡くなりに。本やネットの情報、その後の飼育経験からすると、この原因はやっぱりカイコさんを触りすぎてしまった事と思われます。毎回何頭かは発生してしまう症状ですが、これ以降のお世話ではなるべく接触を控えていたので3割などという数になってしまう事はありません。
☆8月28日
やっと初めての羽化にたどり着きました!既に8月末、夏休みラストスパートの時期に入っています。
☆9月4日
これは4日の写真ですが、9月3日ごろには産卵が始まっていたようです。円形に筒でかこむと丸く卵を産むということで、この頃はメスのカイコさんごとに囲いをつけていました。
が、途中で「あ、これ聞いてた話と違うな」と気づき、早々にあきらめました。なんであなたは囲いの方に産んでるのかな?かな?
長くなりましたが、以上が初回のお世話の記録でした。手引きやネット情報では「休眠卵から生まれた蚕の卵はすべて休眠卵」とあって信用しており、手引きどおりに変色していく卵を見て感動したりしていたのですが、数日後の9月8日には約2頭分の卵が点青期となり、最終的には800頭のカイコさんが誕生するという想定外の事態になったりしました。ので、本当に卵だけはきちんと管理を気をつけていただきたいなと心から思います。概ね正解ではあるのですが、例外が思いのほか多いというかなんと言うか。
ちなみに800頭というとこんな感じです。
「私は一体なんの業者なんだろう」と自問する日々でした。可愛いけど…可愛いんだけど…。
皆様も諸々気をつけて、すばらしいカイコライフをお過ごし下さいね。
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