カイコホリック

蚕の皆様との愛の日々

かいころく19

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やっと重い腰を上げて収繭しました。

左が商品用に選別した繭、右が汚れていたり形や厚みに問題があって使えなかった繭です。10頭以上が羽化したあとなので繭自体少なかったり、蛾尿で汚れる繭が出てしまったりというのもあるのですが、思いのほか使える繭が少なくてちょっと残念。

今回は繭の大きさが小さめのものも多かったので、それも一因です。この後繭をあけて、中もきれいなものだけを使用するので、お世話させていただく頭数から数えるとアクセサリーにできる繭はかなり少なくなります。

 

ところでこのブログでよく「繭から出られないカイコさんを見つけたら、繭を開けて救出する」などと書いているのですが、今回はそういったカイコさんの話題を。

さなぎであれば繭をカットすればつるんと繭の中から出てくるのですが、中で羽化してしまっている場合は出すのに以外と苦労します。もともとご自分で出てこようと四苦八苦した後なので、繭の中で糸がほぐれて糸まみれになっていらっしゃったりします。

 

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こんな感じで。

 

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別の繭をあけた所。この中にカイコさんが…!?と思いますが、このさなぎの皮と糸の下にいらっしゃいます。

 

 

 

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中で相当もがいているらしく、蛾尿や抜け落ちた毛、鱗粉、糸が合わさって大変なことになっています。うっかり吸い込んでしまうとくしゃみがとまらなくなってしまうので、この作業はマスク推奨。で、出ていらしたカイコさんですが足やら触覚やら体やら羽やらに糸がこんがらがってしまっていることも多いです。この写真の方は完全に触覚と糸がもつれている状態。

無理やり引っ張ってしまうとカイコさんを傷つけてしまいますので、カイコさんを切らないよう気をつけながら、なるべくカイコさんに近いところで糸を切り、少しずつ糸を抜いていきます。

 

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糸を取った後のカイコさん。全体的にボサボサになってしまいましたが、触覚も無事でした!良かった!

 

出られなくなったカイコさんの中でも一番困ってしまうのがこのタイプ。

 

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途中まで出たところで止まっちゃったカイコさん。もう戻れないし自分では出てこられない…!

発見が遅れるとカイコさんがだしたコクナーゼも乾いてしまっているので、穴の周辺の糸をほぐすこともできず、繭をきるしかありません。ありませんが、どこを開けたらいいんだこれは…。

とりあえずカイコさんの体がないであろう一番はなれたところをカッターであけ、少しずつはさみで切って解決しました。穴にもう少し余裕があればカイコさんの横からはさみを入れることもできるのですが・・・。予断ですがこの作業、メイクのときに使う眉用の細いはさみなどが便利です(笑)。特にカーブのあるタイプが使いやすかったです。

いずれにせよカイコさんのすぐ近くで刃物を使うことになるので、慎重に作業する必要があるのには変わりありません。

 

  

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「カイコホリックbyBABEL」

以前のお世話の時に収繭した繭がペンダントになっています。