カイコホリック

蚕の皆様との愛の日々

クスノキ探し~エリサン(エリ×シンジュ)・クスサン~

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ワイルドシルクミュージアムさんから譲っていただいた秘蔵っ子ちゃん、エリサン。今シーズンも無事に羽化を迎えております。(※実際にはエリサンとシンジュサンの交配種ですが、当ブログでは「エリサン」と表記しています)

 

昨年お世話させて頂いたクスサン、先代エリサンに続き今回のエリの皆様も、時期的な問題からクスノキをメイン食草としてお世話してきたのですが、エリの皆様の人数が多いこともあってクスノキ探しにはなかなか苦労してきました。3回目のクス探しにしてやっとコツがわかってきたので、自分への備忘録としてまとめてみます。

 

クスの葉っぱってどんなもの?

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探してみると、葉っぱの形にも意外とバリエーションがありました。細長いもの、オーソドックスな葉っぱ形のもの、菩提樹のような丸っこい形のものなどなど。特徴は葉脈で、中心の太いまっすぐな葉脈と、葉の根元から分かれている左右の葉脈3本が特に目立ちます。撮影していませんが、樹の幹は松のように細かくひび割れているので遠目にも目星をつけやすいです。

 

 

楠なら沢山ある。どこにでもある。

苦労したとは言ったものの、実はクスそのものは結構いろいろなところで植えられている木だったりします。街路樹をはじめ市役所や図書館、神社と言った公共の施設や学校、公園etc.市街地でもいたるところで見かける馴染み深い木なのです。それがなぜ苦労するかと言うと、

  1. そもそも採っちゃダメな場所。
  2. 高木なので手が届かない。
  3. 病気の葉っぱが多い。

と言うのが主な原因。

1はもう先に述べたとおりで、公共物だったりなんらかの施設の敷地内だったりと手を出せない場所に植えられていることが多いです。葉っぱ採集ができる場合も、2や3のような事情で採集が難しい場合も結構多いなと言う感じ。特に3の病気に関しては、一旦発症してしまうとどんどん広がっていくので、元が健康な樹でも日に日に採集が難しくなってしまうことで悩まされました。

 

 

狙うは幼木、自生と思しきクス!

高木と言うことで、ついつい大きなクスで手が届くものを…と探してしまっていたのですが、ある時にふと足元にもクスの葉があることに気づきました。

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なんかこれ…木の見た目も生えてる場所も全然クスじゃないんだけど、葉っぱがどう見てもクス…!

 

 

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これも…!

 

 

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これもクス…!(採れないけど!)

 

自生というとちょっとニュアンスが違うかもしれないですが、実からなのか根からなのか、どうもクスノキ独自に分家を生やしていっているらしく、探してみるとこのくらいの大きさのクスノキ幼木があるわあるわ…。多くはやっぱりクスノキ大木の近くなのですが、クスノキが近くに無さそうな場所でも見かけるので実で増えているものもあるのかも。もしかして植えてる?と言う場所は流石に避けましたが、こんな隙間もう絶対勝手に生えてるでしょ!と言うことで今シーズン後半はこの手の幼木をメインに採集していました。

幼木だと細い葉のものが多く樹木になったクスとは幹も葉も見た目が違うのですが、見慣れてくるとどんどん見つかります。

 

 

上記の写真のように単体で出てきているパターンのほかに多いのが、寄生するかのように全然違う木に混じっているパターン。

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植え込みに混ざってしれっと生えていますが、大きい葉っぱは全てクス。

 

 

 

 

 

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太い幹から新たな枝が…!

と見せかけて、全く別の大きな木の根元からひっそり生えるクス。

 

 

 

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こちらも同パターン。すっかり茂っていてこういうサイズの植物が売られていそうですが、実はクス。

 

 

更に難易度は上がります。

 

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雑多な植え込み…の中に実はクスが紛れています。

 

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答え。

左上の方にもクスっぽい葉っぱがありますが、これはまた別の木。ネズミモチっぽいけどどうかな~。クス幼木の近くには結構ネズミモチらしき木も生えてきていたので、狙う場所はみんな同じなんでしょうねえ。

 

 

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こちらもクスが紛れております。

 

 

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なかなか沢山いましたね。

 

 

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アップで。

若い木だと枝先端の葉が赤みを帯びていることが多いので、赤い葉っぱを捜していくと結構な確立でクスノキを見つけることができました。

 

 

と言うことで、クス探しにお困りの際は上だけでなく、是非お足元にも注目して探してみてくださいね!

 

 

 

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