カイコホリック

蚕の皆様との愛の日々

かいころく15

数日前になりますが、まだ出てきていらっしゃらない繭の確認作業をしました。あらかた羽化なさっていて、残るは046さんで1つと、例の錦秋鐘和さんの合計2つのみです。

蔟からはずして外から確認した段階では、046さんは繭をふっても蛹のカラカラとした感覚がなく、中でお亡くなりになったか、繭から出るのに失敗したか、というところ。錦秋鐘和さんは中でさなぎにはなっている様子です。

 

まずは046さん。

繭を切ってみた所、中で羽化は完了していて出られなかったパターンでした。中で出られない方がどのようになっているかというと…

 

 

 

 

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もう大変。

出てこようと頑張ってもがいた後なので、中でふわふわにほぐされた糸が蚕さんの翅や触覚、おみ足などあらゆる所に絡まっています。羽化なので中で蛾尿も排泄済みで、こんな調子で本人も繭もとても汚れてしまった状態。中は鱗粉と体毛と乾いた蛾尿で粉まみれ。救出するのも一苦労です。

まずはざっくりと繭を切り取り、あとはカイコさんに近い所で慎重に糸に細かく切り込みを入れて、少しずつ糸を引き抜いたり、絡まった糸をはずしてゆきます。

 

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救出完了!

通常は羽化後すぐ翅を伸ばして乾かすのですが、このようなケースでは繭の中で翅が乾いてしまっているためこれ以上翅はひろがりません。背中が痛々しいですが、繭から出ようと中でもがいた結果体毛がすっかりはげてしまっている状態。自力で繭を出たカイコさんでも、人より苦労して出てこられた方はこのあたりに禿が出来やすいみたい。ちなみに野生の蛾でも時々ここが禿げている方を見かけるので、それぞれご苦労なさっているのでしょう…。

自力で出てこられないカイコさんですが、繭を丈夫に作りすぎて、というケースもありますがやはりなんらかの成長不良の場合が多いです。成長不良でお顔部分だけ脱皮が出来ず殻がついたままで、上手くコクナーゼを塗布できなかったりとか。

 

 

錦秋鐘和さんですが、こちらは残念ながら中でお亡くなりになっていました。

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一見普通の蛹なのですが、触ってももう動くことはありません。蛹の状態でお亡くなりになる場合は写真のようにお顔部分が真っ黒になるのが特徴です。生きているカイコさんであれば、さなぎはこのお腹部分と同じような濃いあめ色をしていらっしゃいます。錦秋鐘和さんは成長が遅かったので、もしかしたら蛹化も通常より遅いのかも・・・と期待していただけに残念です。

 

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前回写真を載せていた卵ですが、やはり休眠卵だったようで今日までの所変化はありません。良かったよかった…と思ったのもつかの間、今度は別の卵がもうごまかしも効かないくらいの点青期&催青期を迎えていました。

 

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ああ、これは・・・

 

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点青期!どうみても点青期!

 

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となると、このグレーの卵はきっと催青期・・・!

 

という事で、明日か明後日にはもう孵化されるのではないかと思われます。この卵、実はISZAMさんのオスと046さんのメスの交配で産まれた卵です。どういう子たちになるのか楽しみ。

 

 

 

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